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0時間目 朝ごはんってなぜ大切なの?

プロに聞け!〜元気な一日は、朝食から〜

※このページはおとなの人と読みましょう
秋葉くんが元気がないのは、朝ごはんを食べていなかったから。朝ごはんを食べないと、脳(のう)のための栄養“ブドウ糖(とう)”が足りなくなって、ボーっとしてしまうことが調査からもわかりました。ここには、一日を元気に過ごすヒントが、かくされているみたいです。
そこで管理栄養士であり料理研究家でもある、食物のプロフェッショナル、牧野直子さんにお話をうかがってみました。

牧野先生 牧野直子先生
管理栄養士、ダイエットコーディネーター、料理研究家。
(有)スタジオ食(くう)代表。
女子栄養士大学卒業。在学中より栄養指導、食教育活動に携わり、独立後、雑誌、新聞、テレビ、講演、健康セミナーなどで幅広く活躍。
 

医学監修 医学博士 大野 誠 先生
(日本体育大学 大学院体育科学研究科 教授)



【元気な一日は、朝食から】あたまと体のガソリン“ブドウ糖”

コッコ姉さん いろいろ調査をした結果、秋葉くんが授業に集中できずボーっとしてしまったのは、朝食を食べずに学校へ行っていたからだとわかりました。「朝食を食べない」秋葉くんの体の中では、どんなことが起こっていたのでしょうか。

朝食が取れないということは、今日をスタートするための、脳(のう)にとっても体にとっても必要な“エネルギー”が取れないということですね。エネルギーとは、脳や体を動かす“ガソリン”のようなもの。しかもねている間にも“ガソリン”は使われているので、朝食を取らずに学校へ行った秋葉くんの体は“ガソリン切れ”の状態ですね。


コッコ姉さん それでは元気に体を動かすことなど、できませんね。

そうですね。私たちが食事をする中で、体に取り入れた炭水化物は“ブドウ糖(とう)”、脂質(ししつ)は“脂肪酸(しぼうさん)”、タンパク質は“アミノ酸”に分解され、小腸から吸収(きゅうしゅう)されて“エネルギー”になります。このエネルギーは、筋肉が収縮(しゅうしゅく)して運動したり、からだの細胞(さいぼう)が生きていく上で利用されますが、脳(のう)だけはエネルギー源としてブドウ糖しか利用できません。そこで、体内のブドウ糖が足りなくなると、脂質やタンパク質からブドウ糖を作り、エネルギーとして利用することもできますが、これにはかなり手間がかかりますので、まず食事から炭水化物をしっかりとることが大切です。

【炭水化物】→ブドウ糖=エネルギー 【脂質】→脂肪酸→ブドウ糖 【タンパク質】→アミノ酸→ブドウ糖

体にはあるていどの量の“ブドウ糖”をたくわえておくことができるのですが、脳はブドウ糖しか利用できないので、定期的に“ブドウ糖”を取らないと“ガソリン切れ”を起こしやすくなり、イライラしたり集中力が低下したりします。ねている間は、食事はできませんが、“エネルギー”は使われ続けています。朝食には、ねている間に使われたエネルギーを補給(ほきゅう)するという大切な役わりもあるのです。


コッコ姉さん え!ねているだけでも、エネルギーを使っているのですか!?

はい。私たちは、ただねているだけでも、呼吸をしたり、体温を保つためにエネルギーを使っています(くわしくは、三時間目『どうしてお腹がへるのかな?』牧野先生を参考にしましょう)。

また、体の成長をうながす“成長ホルモン”が分泌(ぶんぴつ)されるのは、午後10時から午前2時ころがピークと言われています。成長ホルモンの材料となるのは主に脂質(ししつ)、たんぱく質、ビタミンやミネラルなどで、それらが体のすみずみまで運ばれ吸収されることが必要です。それらの中には、たくわえることのできるビタミンAなどもふくまれますが、逆に、ビタミンB群やCなどはたくわえておくことができないので、その都度、食事から取り入れる必要があります。


コッコ姉さん みんなの体は、これからどんどん成長して、20歳までに作られるというグラフがあります。

スキャモンの発育曲線

そう考えると、成長ホルモンの材料となる栄養を取ることも大切ですが、成長ホルモンが分泌(ぶんぴつ)される時間、つまりすいみんをしっかり取ることも大切です。

「私たちの生活の中には、体を休め栄養などをたくわえる時間と、活発に動く時間があります。活発に動くために働いている“交感神経”から“副交感神経”に切りかえることで、体は休息の時間に入ります。これが“すいみん”です。

逆に“副交感神経”から“交感神経”に切りかえることで、体は目覚め、再び活動を始めます。これが目覚めです。この切りかえがうまくできていない状態では、胃腸も動かないままで、食欲もわきません。

交感神経と副交感神経

太陽の光を浴びたり、身支度をしたり、顔を洗ったりするとこで切りかえをうながして、体をしっかり目覚めさせてから、朝食をとるようにしましょう。そのためには早起きが必要です。パジャマのままで、ボーっとして食卓(しょくたく)につくのは、やめましょう。


コッコ姉さん たしかに、ボーっとしていては、せっかくの朝食もおいしく感じませんし、脳や体を動かすガソリンである“ブドウ糖”もとりそこないそうです。

ねぼうしてしまって、どうしても時間が足りないときには、おにぎりやロールパンを1個食べておくといいですよ。ごはんやパンに代表される“でんぷん質”は、“ブドウ糖”の粒が、たくさんつながってできています。

“でんぷん質”の“ブドウ糖”の粒イメージ

それらを食べることで消化され、そのつながりがこわされて“ブドウ糖”になるわけです。“脂質(ししつ)”や“たんぱく質”も最終的には“ブドウ糖”を作るお話をしましたが、炭水化物によるブドウ糖が優先的に使われ、それが足りなくなったときに脂質やたんぱく質が利用されます。

成長期(小学校高学年くらいより)では、1日に最低でも100gの炭水化物をとることが必要とされていますから(お茶碗に軽く一杯くらい・・・110gのごはんには、約40gの炭水化物がふくまれる)、朝食1回であたえられているチャンスを、効率よく生かすためにも、ぜひ実行してみてください。



→“ブドウ糖”のひみつ

 

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