表紙へ戻る 3時間目 どうしてお腹がへるのかな?
3時間目 どうしてお腹がへるのかな?

プロに聞け!元気のために──おいしく食べて運動しよう!

※このページはおとなの人と読みましょう
細井さんは、ダイエットのために食事を減らしてしまって、元気がなくなっちゃった! それはどうしてか…もうわかったよね? 特別に運動をしなくても、生活の中のなにげない動作をするにもエネルギーは必要で、それが足りなくなったら…元気が出るわけないよね。「おいしく食べて、元気に生活する」には、どうしたらいいんだろう。もっと詳しく知りたくなったコッコねえさんは、運動と栄養のプロフェッショナル、健康運動指導士の越智利国先生に、お話を伺ってきました。

越智利国先生 越智利国先生
健康運動指導士、ヘルスケアトレーナー
プロフェッショナル・トレーニング・コーチ
オリンピック選手、国内トップアスリートのリハビリテーショントレーニングや医療機関での運動療法プログラムの作成指導、フィットネス・クラブ健康増進プログラムなど幅広い分野で活動する。
世界最大のウルトラマラソンであるサロマ湖100Kmマラソンで、20年連続完走記録を持つウルトラ・マラソンランナーでもある。


体を動かすには、エネルギーが必要

コッコ姉さん 人は、寝ているだけでもエネルギーを使っていたなんてビックリしました。

越智利国先生人の身体は寝ているときにも、呼吸をしたり、心臓を動かしたり、食物を消化して吸収したり…一見何もしていないようでも身体の中では生きるために必要な活動をしています。もちろんこれらの活動は寝ているときのみではなく、動いている時にも人が生きていくために意識することなくしている活動ですよね。このように“人が生きていくために必要な1日のエネルギー量”を基礎代謝(きそたいしゃ)といいます。
基礎代謝
また、それ以外の、運動などによるエネルギー量を活動エネルギーと言います。
活動エネルギー

コッコ姉さん 人間が使うエネルギーには“人が生きていくために必要な1日のエネルギー量”の基礎代謝と運動などの活動エネルギーがあるんですね。

そうです。ところで、私たちは基礎代謝や活動のためのエネルギーを毎日の食事からとりますね。ところが1日にとったエネルギー量が基礎代謝+活動エネルギーより多くなると、その残りは体の中に脂肪としてたくわえられます。その脂肪の量が多くなりすぎると体の調子が悪くなる可能性があるので、自分の運動量と、それに合ったちょうどいい量のエネルギー源を得ることが大切です。
ここでカロリーという言葉を紹介しましょう。“カロリー”というのは、私たちが生活していく中で必要な、食べ物から得たエネルギーの単位(*1)のことで、“kcal”で表します。

コッコ姉さん 最近では、コンビニのお弁当や、お菓子の袋の裏にも、カロリー数が書いてあるので知っています! 鮭おにぎりだと180Kcalくらいだと思います。でも、そのカロリーをうまく使い切るには…どのくらいの運動が必要なのかはわかりません。

カロリーを使う量は、“1kmほど歩くと、体重と同じ量のカロリーを使う”という目安があります。これから計算すると、鮭のおにぎり1個分のカロリー=約180kcalを使うには、体重40Kgの子どもだと4.5Km歩かないといけませんね。

コッコ姉さん 校庭のトラック1周が200mくらいだから…校庭20周ですね!

実際には運動しているときだけではなく、運動した後も少しずつ量をへらしながらも脂肪は燃え続けているので20周も走る必要はありません。しかし、エネルギー源をとるのは簡単ですが、うまく使いきるのはたいへんだということがわかりますよね。自分に合ったエネルギー量をとることが大切なんですね。

コッコ姉さん おにぎり1個のエネルギーを使うだけでもこんなに大変だなんて!確かに食べる量をしっかりと考えていかなければいけないですね。じゃあやっぱり食事の量はできるだけ減らした方がいいのでしょうか。

炭水化物、脂質、タンパク質もちろんそうではありません。さっきの基礎代謝のように、食物からとるエネルギーは身体を動かす以外にも必要としているのです。体を動かすためのエネルギー源である栄養素は炭水化物、脂質、タンパク質ですが、その内、タンパク質と脂肪は体を作る材料でもあるわけです。皆さんはこれから成長していき、18〜20歳になったころ、やっと大人としての体が完成します。成長期の皆さんは、身体を正常に成長させることを第一に考えてください。そのためには、よく食べ、よく動き、よく休むことが大切です。成長期に栄養状態が悪いと身体が未完成のまま大人になってしまいます。ですから、それまでの間に無理なダイエットをし、ダイエットの敵と思われがちなタンパク質や脂質をとらずにいると、ホルモン(*2)のバランスがくずれたり筋肉がおとろえたり、大人の体になりきらないまま老化が始まる、ということになりかねません。本来の機能を成長させずに大人になるということは、自分が持っている可能性を自分で狭めてしまうことです。そういう意味でも、エネルギー源である栄養素をとるための食事は、正しい量で、質のいいものであるように心がけ、その内容も、炭水化物、脂質、タンパク質がバランス良くとれるようにしましょう。そうした上で自分の体にあったちょうどよい運動をしたいですね。


コッコ姉さん なるほど。食事の量が少ないのはもちろん、同じエネルギー源でも、ご飯やパスタが好きだからといって、炭水化物を多く摂る食事をしていては、元気な体になれない…1時間目にも勉強したことが、ここにも出てきました。かたよった食事は、本当に元気の敵ですね。

*1/1kcal=1リットルの水を1℃上げることができるエネルギー。1000cal=1kcal。
*2/ホルモン:みんなの体がうまく働くよう整えてくれたり、その他にもいろいろな働きをする「元気のもと」。人間の体の中で作られ、100種類以上あると言われています。


→毎日30分。自分が好きなことから始めよう!

 

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