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4時間目 私たちの食べ物は大丈夫?

プロに聞け!おいしく安全に食べるには

※このページはおとなの人と読みましょう
「衛生チェック」の成績はどうだった? 食べ物をあつかう時には、気をつけなくちゃいけないことがたくさんあるみたい。手を洗ったり、清潔な場所で料理をしたり…でも、どうしてそうしないといけないんだろう? 食べ物をあつかうプロフェッショナル、草野 篤さん(日本マクドナルド(株) 品質管理統括セクション)に、お話を伺ってみたよ。

草野  篤さん 草野  篤さん
1990年日本マクドナルド(株)入社、
店長を経て本社品質保証部門に異動し原材料工場の品質管理を担当。99年に品質管理統括センター新設に伴い異動し、全国の店舗を回り衛生管理の指導などを行っている。
そのほか、新商品開発での衛生検査、設備・調理器具類などの安全性確認を担当。
05年部署名変更により現所属。臨床検査技師。


ばい菌を“持ち込まない”“増やさない”“殺菌する”

コッコ姉さん クックのサンドイッチパーティでは、クックの不注意から、お腹をこわしたり…みんなたいへんな思いをしてしまいました。でも、そのおかげで、食べ物をあつかう時には手を洗い、清潔(せいけつ)な環境を整えて、細菌(さいきん)【汚れの中にいる有害なもの】がいなくなるようにするということがわかりました。

草野  篤さんそうですね。“食べ物の安全”に気をつける上で次の3つのポイントを覚えていてくださいね。

【1】細菌(さいきん)を「持ち込まない」
服装やみだしなみをきれいにして、手や調理器具を
  しっかりと洗い清潔な環境で料理をする。

【2】細菌(さいきん)を「増やさない」
食べ物のきちんと適した温度で保存する。

【3】殺菌する
食べ物や調理器具を加熱し、殺菌する。

この3つのポイントをきちんと守る事で細菌から食べ物をより遠ざけることができるのです。

コッコ姉さん なるほど…手洗いには、細菌を“持ち込まない”という意味があったんですね。そう考えると、普段なにげなくしている手洗いも、もっときちんとしなくてはいけませんね。

そうですね。実は、本来水できちんと洗うだけでもほとんどの細菌は落ちるのですが、その汚れ具合や洗い方は人によって様々なので、石けんを使う手洗いが有効だと思います。
理想的な手洗いは──
1

手洗い 1石けんをよく泡立てて、指の間、手のひら、手の甲、手首、ひじまでを洗い、爪の中はやわらかいブラシを使って、全体で30秒くらいかけてしっかり洗う。

2

手洗い 2流水で、泡や石けんのヌルヌルがなくなるくらいよく洗い流す。

3

手洗い 3清潔なペーパータオルやハンカチ、手ぬぐいなどで水分をふきとる。

というものですが、特に大切なのは“水でよく洗い流す”ということです。石けんでよく洗っても、汚れや石けんが手に残っていては、清潔になったとはいえないのです。“清潔にしたつもり”という思いこみが一番危ないことです。

コッコ姉さん マクドナルドのスタッフの方も、同じようにされているのですか?

草野  篤さんもちろんです。仕事をはじめる前に細菌を“持ち込まない”ために、同じように手洗いを行っています。
また、最低1時間に1回は手を洗って常に清潔にしています。その他いろいろな注意を払っていても、完全に細菌を“持ち込まない”ようにするのはなかなか難しいこと。そこで重要になってくるのが“増やさない”“殺菌する”ということです。

コッコ姉さん “増やさない”というと・・・・・・?

草野  篤さんそれでは、ハンバーガーのビーフパティ(肉)を例にお話してみましょう。
マクドナルドでは、パティの材料となる牛肉のかたまりを工場でひき肉にして、パティの形に整えて冷凍するまで、工場の作業する部屋の温度を低くしたり作る時間を短くしたりすることで“増やさない”ように工夫しています。
「温度」と「水分」と「栄養」の3つの要素がそろうと細菌が増えてしまうので、工場では細菌が活動しやすい温度に放置しないように「時間」と「温度」をしっかり管理することで“増やさない”ようにしています。
マクドナルドの保管温度

このようにしてできたパティを、お店ではマイナス18℃以下の冷凍庫に保管します。そして冷凍の状態のまま特別な鉄板でパティを両面同時に焼き上げます。このときに、万が一細菌がパティに付いていたとしても高温で焼くことで“殺菌”し、安全な状態でお客様に提供されます(6月以降、夏にむけて食中毒が起こりやすいのも、ばい菌が大好きな温度と湿度と栄養がそろいやすい環境になるからなんだって。この季節は特に気をつけよう!)。
こうして焼き上がったパティは、バンズ(ハンバーガーのパン)にはさまれてハンバーガーになるのですが、それを仕上げる人が、もし汚い手で作業してしまったら…それまで気を配ってきた人たちの苦労が台無しになってしまいますよね。やはり、どういう場面においても“手洗い”は大切なことなんです。

衛生管理のポイント

コッコ姉さん なるほど! たくさんの方々が、いろいろな場面で安全に気を配った結果、出来上がったハンバーガー…。せっかく安全に出来上がっていても、私たちが汚い手でさわってしまったら…やっぱり手洗いは大切ですね。「手洗いをしっかりする」「いたみやすい生ものは、冷蔵庫に入れて保存する」「調理器具は清潔に保つ」「火を通せるものは、加熱して殺菌する」──マクドナルドのみなさんが気を配っていらっしゃることは、私たちの日常生活の中でも、活用できることばかりですね。

そうですね。お店だからといって、特別なことをしているわけではなく、基本は皆さんが清潔にするために気をつけている事と同じことを行っているのです。マクドナルドではHACCP(ハセップ*1)という衛生管理の手法に基づいて、小さなお子さまからお年寄りまで、どんな方にも安全においしく召し上がっていただけるよう心がけています。

コッコ姉さん おいしく作ってくださったものを、おいしくいただく──みんなの体を作ったり動かしたりするために必要な毎日の食事の中では、当たり前のように行われていることだけれど、間違った環境でそれをすると、かえって体に良くないことが起きてしまうんだ。大切な食事。安全に楽しくとれるよう、細菌を“持ち込まない”“増やさない”“殺菌する”というポイントをもとに、みんなも自分の生活を見直してみよう!

*1/HACCP(ハセップ):原材料が完成品になるまでに行われる作業の中で、衛生管理のポイントとなるところに基準を設け、それらを段階ごとにクリアしてから、次の工程に作業を進めていくよう管理するもの。“できあがったものを検査”するのではなく、“悪いものは作らない”という考えに基づいている。当初は宇宙食の安全性を確保するために定められたが、その後、食品の衛生管理基準として世界中で採用されている。

 

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