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藤川大祐先生 藤川大祐先生
1965年生まれ。千葉大学教育学部教授(教育方法学・授業実践開発)。総合的な学習の時間、メディアリテラシー、ディベート・討論、数学、環境、キャリア教育等、さまざまな分野での授業づくりの研究に取り組む。主な著書『企業とつくる授業』『企業とつくるキャリア教育』『企業とつくる食育』(教育同人社)、『養護教諭のためのメディアリテラシーによる健康学習』『「総合的学習」の実践アイデア集1・2』『授業分析の基礎技術』(学事出版)。

 社会の変化とともに、子どもたちの食生活をめぐる状況は、大きく変化しています。偏食、過食、無理なダイエット、拒食症、孤食等、子どもたちの「食」は、さまざまな場面で問題となっています。子どもたちが健康に育つために、どのように食生活をつくっていけばよいのかは、多くの家庭にとって重要な課題でしょう。外食の普及や、インスタント食品や菓子といった多様な食品の普及によって、私たちの食習慣を否応なく変えています。また、世界中からさまざまな形で集まってくる食材の安全性をどのように考えるかは、大変悩ましい問題です。
こうした状況の中、近年、「食育」という言葉が注目されています。子どもたちに「食」についての基本を学んでもらい、自分や周囲の人たちの豊かで安全な食生活をつくっていける力を養う教育が、「食育」です。すでに各地でさまざまな教育実践が展開され、学校教育においては新たに「栄養教諭」の資格が設けられる等、「食育」の充実が急ピッチで進んでいます。しかし、まだまだ教材や授業実践の蓄積は、これからの課題です。
このサイトでは、家庭や学校で食育を進めていただくための助けになるよう、楽しいゲームや読み物を掲載しており、学校の授業の事例も掲載していきます。


0時間目  

 食育の重要な課題の一つが、「朝食」です。
小学生でも朝食をとらない子どもや偏った朝食しかとらない子どもが目立ち、中学生、高校生と成長していくにつれて朝食をとらない者が増えていきます。大学生等、20歳前後の若者では朝食をとらない者が非常に多く、健康への影響が懸念されます。
子どもたちは「朝食をきちんと食べろ」と日頃言われていると思いますが、なぜ朝食が重要なのかについてはあまり理解していない可能性があります。「0時間目」では、なぜ朝食が必要なのかについて、子どもが理解できる根拠を示しています。

 また、朝食の問題は、生活習慣全般を視野に入れて解決する必要があります。大人の生活が夜更かし型になっていますが、成長途上の子どもたちには早寝、早起きを柱とした規則正しい生活をしてもらわねばなりません。子どもたちが規則正しい生活をする助けとなるよう、日々の起床時刻、就寝時刻等を記録するシートを準備しました。
こうしたコンテンツの活用を通して、子どもたちが朝食の重要性や早寝、早起きの重要性を理解し、自分たちの生活を自ら整えていってほしいと願っています。


1時間目  

 偏食は、多くの家庭で、食生活の大きな悩みです。「好きなものだけ食べたい!」という思いは誰もがもつものなので、ついつい子どもの機嫌を損ねないようにと、子どもの好きなメニューばかり出す家庭も多いようです。
しかし、さまざまな食材が世界中から集まる現在、安全な食生活のために何よりも重要なのは、「リスクを分散する」という発想です。同じような食べ物ばかりを食べ続ければ、栄養が偏り、万が一、好きな食べ物に有害物質が含まれていた場合、有害物質が蓄積される恐れも高まります。「いろいろなものを食べる」ことの大切さを、子どもたちにはしっかりと学んでほしいものです。
このための第一歩が、「栄養バランス」について理解することです。栄養素の分類については家庭科の授業でも扱われていますが、やや複雑で、十分に知識を身につけないままの人が多いようです。このサイトでは、楽しいゲームを通じて、栄養素の分類の基本を身につけてもらえるようになっています。ぜひ家庭や学校でご活用ください。
栄養素の分類の基礎を学び、普段から栄養バランスに配慮した食生活を送っていれば、時には好きなものだけ食べても、問題はありませんね。子どもたちには、ときどき好きなものを食べることを目標にして、少しずつ偏食を克服してもらいたいものです。


2時間目  

 子どもたちに人気の食べ物の一つが、ハンバーガーです。1970年代に本格的に日本に入ってきたハンバーガーは、今や日本での定番の食べ物となりました。
言うまでもなく、ハンバーガーは、手軽に栄養を摂ることに適した食べ物です。ハンバーガーにはエネルギー源となる炭水化物や脂肪分が多く含まれますが、ビタミンやカルシウムはハンバーガーだけでは足りません。子どもたちが好むコンビニエンスストアのおにぎりや焼き肉、あるいは菓子や清涼飲料水でも、単独では栄養素が偏ってしまいます。
私たちはともすると、「これでお腹がいっぱいになるかな」とだけ考えて、食べる物を選んでしまいます。しかし、そのような選び方では、ハンバーガーやおにぎり等、炭水化物や脂肪ばかりの食事になってしまい、ビタミンやカルシウムの不足を招いてしまいます。「お腹がいっぱいになる」ということだけでなく、「バランスよく栄養を摂る」ということが重要です。1回あるいは1日の食事で補えない栄養素を、数日の食生活の中でバランスよく摂取することが求められます。
このサイトでは、ふだんなんとなく見ているハンバーガーがどんな食材で作られているのかを分析してもらい、栄養のバランスの観点から食材を「食品群」に分けることをゲームで学んでもらいます。子どもたちが日常、「食品群」の観点で食品を見ることができるよう、このサイトで学んでもらいたいと思います。


3時間目  

 子どもたちの中には、スリムな体型に憧れて、食事を減らしてやせようとする傾向が見られます。もちろん肥満は問題ですが、やせ気味にもかかわらず「自分は太っている」という自己イメージをもってしまい、ダイエットに励もうとする子どもも、少なくありません。
太ったりやせたりすることは、食事で摂取するエネルギーと、運動等で消費するエネルギーとの関係によって決まることを、子どもたちに理解してもらわなければなりません。この時間では、私たちの身体がたとえじっとしていてもかなりのエネルギーを消費していることを理解してもらい、適切にエネルギーを摂取することの大切さを学んでもらえるようにしています。子どもたちが「お腹が減る」ということに敏感になり、「お腹いっぱい食べたから今度は控えめにしよう」とか、「今日はたくさん運動したから食事を多めにしよう」というように、運動と食事を調整できるようになってもらうことを、目指しています。
また、この時間では、自分の適正体重を手軽に知ってもらえるコーナーを設けました。このコーナーは、大人の方にもつかっていただけるようになっています。日常的に体重をチェックすることは、健康管理のために重要なことです。家族で定期的に体重チェックをすることを通して、互いに過剰なダイエットや肥満を防ぐようにしていただければ幸いです。


4時間目  

 私たちの食生活で、何よりも大切なのは、「安全に食べる」ということです。現代の日本は衛生的になっているはずですが、O157による食中毒、BSEの問題等、食の安全が脅かされるニュースが報じられています。今や食材は世界各地から届ける時代で、流通経路や調理のされ方もさまざまです。身の回りの衛生から食材の生産・流通まで、幅広く「食の安全」について考えなくてはならない時代になっています。
この時間では、主に衛生の問題を取り上げています。子どもたちは日常的に「よく手を洗う」という指導を受けていることと思いますが、手を洗うことの意味がどこまで理解されているでしょうか。手洗いは、外食産業における衛生管理でも基本となっていることです。食材を扱うプロの仕事ぶりから、手洗いをはじめ、冷凍・冷蔵や加熱等も含めた日常の衛生管理の意味を深く理解してもらいたいと考えています。
また、私たちの食事に使われている食材が、どこからどのように届いたのかに意識を向けることも、大変重要です。最近は、生産地からの流通の過程をたどることができる「トレーサビリティ」という考え方が重視され、スーパーマーケットの店頭などでも生産地が明示されることが多くなりました。生産・流通のしくみを知ることこそ、安全な食材を口にするための基礎だと考えられます。2時間目「ハンバーガーは何でできているの?」も活用していただき、食材についての関心を高める指導もしていただければ幸いです。


5時間目  

 食べることは、単に栄養素を摂取することでなく、私たちの生活の重要な要素であり、私たちの文化の柱でもあります。ところが、現代では、親の世代が朝食抜き等の不規則な食生活をとっていたり、おいしく食べることよりも手軽に済ませることが優先されてしまったりと、食生活や食文化の点で問題が生じています。「孤食」が多くなっていることも、大きな問題です。
もちろん、あわただしい現代社会では、ファストフードやコンビニエンスストアを活用して手軽に食事を済ませることも必要でしょう。しかし、成長過程にある子どもたちにとっては、規則正しく食事や睡眠をとったり、1日に1回でも週に数回でも家族そろって会話を楽しみながら食事をしたりすることが、重要です。「朝食は必ず家族で食べる」とか「○曜日の夕食は家族みんなで食事を作って食べる」というように、家庭内で一定のルールを作り、子どもたちにとって豊かな食生活を守っていただきたいと思います。
現代の日本は、食文化が大きく変化しています。伝統的な和食に加え、欧米流の食事も定着し、中華料理、韓国料理、東南アジアの料理なども珍しくなくなっています。多様なルーツをもつ料理を広く楽しんでしまうところが、日本らしさなのでしょう。次世代を担う子どもたちがさまざまな機会にさまざまなメンバーで楽しめるよう、豊かな食文化を築いていきたいものです。そのためにも、年に何回かは、子どもを中心として、食事を囲む楽しい集まりを催していただきたいと願っています。


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